苦手意識は消せる?子どもの「できない…」を変える科学
「うちの子、運動に苦手意識があるんです」
「ボールを怖がってしまって、なかなか前に出られません」
「失敗すると、すぐに“もう無理…”と言ってしまいます」
保護者の方から、こうした声を聞くことがあります。
でも、まずお伝えしたいのは、苦手意識は“才能がない証拠”ではないということです😊
子どもが「苦手」と感じる背景には、運動能力だけでなく、失敗した経験、周りと比べられた記憶、怒られた不安、自信のなさなど、さまざまな心の要素が関わっています。
つまり、苦手意識は生まれつき決まっているものではなく、環境や声かけ、練習の積み重ねによって少しずつ変えていけるものなのです。
今回は、研究論文で示されている内容をもとに、子どもの「できない…」を「ちょっとやってみよう!」に変えるための考え方を、保護者の方向けにわかりやすく紹介します🤾♂️✨
苦手意識の正体は「できない」ではなく「また失敗しそう」
子どもが「苦手」と言うとき、本当にその動きができないというよりも、心の中でこんな予測が起きていることがあります。
「また失敗するかも」
「みんなに見られたら恥ずかしい」
「自分だけできなかったらどうしよう」
「怒られたら嫌だな」
このように、失敗のイメージが先に浮かぶと、子どもは挑戦を避けやすくなります。
心理学では、何度も「自分では変えられない」と感じる経験が続くと、人は挑戦する前からあきらめやすくなることが知られています。これは、学習性無力感に関する研究でも紹介されている考え方です。
スポーツの現場でも同じです。
「どうせできない」
「やっても失敗する」
「自分には向いていない」
このような気持ちが強くなると、練習量そのものが減ってしまいます。練習量が減ると、上達のチャンスも減り、さらに「やっぱり苦手だ」と感じてしまいます。
これが、苦手意識のループです。
だからこそ大切なのは、いきなり「頑張れ!」と背中を押すことだけではありません。
まずは、子どもが「失敗しても大丈夫」「少しできた」「次もやってみよう」と感じられる環境を作ることが大切です🌱
苦手意識を変えるカギは「小さな成功体験」
苦手意識をやわらげるために、特に大切なのが「自分にもできた」という経験です。
運動やスポーツへの自信は、子どもが身体活動に前向きに参加するうえで重要な要素だと考えられています。実際に、子どもの運動能力や身体活動との関係をまとめた運動能力と身体活動に関するシステマティックレビューでは、運動スキルや自信、身体活動の間には関係があることが示されています。
ハンドボールでも、これはとても大切です。
たとえば、キャッチが苦手な子に、いきなり速いパスを投げてしまうと、怖さが強くなってしまうことがあります。
でも、近い距離からゆっくり投げる。
正面でキャッチする。
大きめのボールから始める。
1回でも取れたら「今のいいね!」と確認する。
こうした小さな成功体験が積み重なると、子どもの中に「もしかしたらできるかも」という感覚が生まれます。
苦手意識を消す第一歩は、完璧にできることではありません。
「前より少しできた」を感じることです😊
「才能がない」ではなく「まだ練習中」と考える
子どもが失敗したとき、大人はつい「もっと頑張ろう」と言いたくなります。
もちろん、努力は大切です。
ただし、「頑張ればできる」と言うだけでは、子どもによっては「もう頑張っているのに…」と感じてしまうこともあります。
そこで大切なのが、「能力は練習や工夫で伸ばせる」という考え方です。
この考え方は、一般的に“成長マインドセット”と呼ばれています。ただし、研究では、成長マインドセットの効果は万能ではなく、対象や環境によって変わることも示されています。たとえば、成長マインドセット介入に関するメタ分析では、全体的な効果は大きくない一方で、特定の子どもたちには効果が見られる可能性があるとされています。また、別の成長マインドセット介入に関するレビューでは、研究デザインや報告の質について慎重な見方も示されています。
つまり、「伸びると信じよう!」だけで十分というわけではありません。
大切なのは、考え方と環境をセットにすることです。
「次はどこを見て投げてみる?」
「今のプレーで良かったところはどこ?」
「もう一回やるなら、何を少し変えてみる?」
「今日は前より何ができた?」
このように、努力を“作戦”に変える声かけが大切です。
失敗を「自分には無理」ではなく、「次に試すヒント」として受け止められるようになると、子どもはもう一度チャレンジしやすくなります✨
比べる相手は「隣の子」ではなく「昨日の自分」
苦手意識が強くなる大きな原因のひとつが、周りとの比較です。
「あの子はすぐできるのに」
「自分だけ遅れている」
「チームの中で下手かもしれない」
特に小学生・中学生年代では、体格差、成長スピード、経験年数に大きな差があります。同じ学年でも、足の速さ、投げる力、理解の速さは一人ひとり違います。
だからこそ大切なのは、結果の比較ではなく、成長の比較です。
「前よりボールを怖がらなくなったね」
「今日は自分からパスをもらいに行けたね」
「ミスした後に、もう一回やったのが良かったね」
「昨日より一歩前に出られたね」
このような声かけは、子どもに「ちゃんと見てもらえている」という安心感を与えます。
研究でも、子どもがスポーツを前向きに続けるためには、勝ち負けだけでなく、努力や成長を大切にする環境が重要だと考えられています。ユーススポーツにおける動機づけ環境と選手の関わりに関する研究では、コーチが作る動機づけの雰囲気が、選手の自信や熱意などと関係することが示されています。
大人が「できた・できない」だけでなく、「挑戦した」「前より良くなった」「考えて動いた」を見つけることが、子どもの苦手意識をやわらげる大きな力になります。
保護者の声かけが、子どもの挑戦を支える
子どものスポーツ参加には、保護者の関わりも大きく影響します。
若いアスリートの動機づけにおける保護者の役割をまとめたレビューでは、保護者は子どものスポーツへの意欲に対して、多面的な役割を持つことが示されています。
ここで大切なのは、保護者がすべてを教えることではありません。
むしろ、子どもが自分で考え、選び、挑戦できるように支えることです。
たとえば、練習後にこんな質問をしてみてください。
「今日、一番楽しかったプレーは何?」
「今日できたことを1つ教えて」
「次に試してみたいことはある?」
「失敗したけど、もう一回やった場面はあった?」
このような質問は、子どもの中にある小さな成長を引き出します。
また、自律性を支える関わりに関する研究レビューでは、子どもや若者のスポーツ・体育場面において、自分で選ぶ感覚や納得感を支える関わりが重要であることが示されています。
「やらされる」ではなく、「やってみたい」へ。
この変化が、苦手意識を乗り越える大きなきっかけになります😊
ハンドボールは「苦手」を変えやすいスポーツです
ハンドボールは、走る、投げる、跳ぶ、捕る、守る、考える、声をかけるなど、いろいろな要素が詰まったスポーツです。
だからこそ、最初から全部が得意である必要はありません。
シュートが苦手でも、パスで仲間を助けられます。
足が速くなくても、守る位置を考えてチームに貢献できます。
ボールを捕るのが苦手でも、声を出して仲間を支えることができます。
試合が不安でも、まずは練習の中で一つのプレーに挑戦すれば大丈夫です。
ハンドボールの良さは、「得意なこと」も「これから伸びること」も、どちらもチームの中で活かせるところです🤾♀️
そして、できなかったことが少しずつできるようになる瞬間がたくさんあります。
その積み重ねが、子どもの苦手意識を「できた!」に変えていきます。
親子で見たいハンドボール!
ハンドボールを知らない方でも、動画を見るとイメージがぐっと湧きやすくなります。
小学生年代の試合を見るならこちらがおすすめです。
小学生の試合を見ると、「この年代でもこんなに仲間と連携できるんだ!」と感じられます。
トップレベルの試合を見ると、ハンドボールのスピード感や迫力が伝わってきます。
どちらも、子どもが「ちょっとやってみたい!」と思うきっかけになります✨
まとめ|苦手意識は、安心と小さな成功で変えていける
子どもの苦手意識は、無理やり消すものではありません。
安心できる環境の中で、小さな成功体験を積み重ねることで、少しずつ変えていくものです。
大切なのは、できないことを責めることではありません。
「前より少しできた」
「もう一回挑戦できた」
「自分で考えて動けた」
「仲間のために声を出せた」
こうした成長を見つけて、子ども自身が「自分も変われるかもしれない」と感じられるようにすることです。
平塚ハンドボールクラブでは、小学生・中学生の選手を経験問わず募集しています。
ハンドボールが初めてのお子さんも、運動に少し苦手意識があるお子さんも大歓迎です🤾♂️✨
平塚市・湘南エリアで、小学生・中学生のスポーツや習い事を探している方は、ぜひ一度ハンドボールを体験してみてください。
苦手が少しずつ「できた!」に変わる瞬間を、私たちと一緒に楽しみましょう😊
