子どものやる気は「声かけ」で変わる?
教育心理学から考える、保護者の“ちょうどいいサポート”😊
「うちの子、もっと自分から頑張ってくれたらいいのに」
「試合や練習のあと、何て声をかけたらいいの?」
「褒めた方がいいのか、厳しくした方がいいのか分からない…」
小学生・中学生のお子さんを持つ保護者の方にとって、これはとても気になるテーマではないでしょうか。
今回のブログでは、教育心理学の中でも特に重要なテーマである“子どものやる気を育てる保護者の声かけ”に絞って、エビデンスベースで紹介していきます。
平塚ハンドボールクラブのブログでは、これまでも投げ方の基本をわかりやすく、楽しく伝えることを大切にしてきました。今回も同じように、難しい専門用語だけで終わらせず、保護者の方がご家庭で実践しやすい形にしてお伝えします✨
結論:子どものやる気を伸ばす鍵は「自分で選べている感覚」です
教育心理学では、子どものやる気を考えるうえで自己決定理論という考え方がよく使われます。
この理論では、人が前向きに学び、挑戦し、成長していくためには、主に3つの心理的な欲求が大切だとされています。
それが、
自律性:自分で選んでいる感覚
有能感:できるようになっている感覚
関係性:周りとつながっている感覚
です。自己決定理論の公式情報でも、心理的な健康や最適な機能には「自律性・有能感・関係性」が重要だと説明されています。(自己決定理論)
つまり、子どもにとって大切なのは、
「やらされている」ではなく、
「自分でやってみたい」
と思える環境です。
スポーツでも勉強でも、保護者の声かけがこの感覚を支えることがあります。
研究では、保護者の「自律性を支える関わり」がよい結果と関連しています
保護者の関わり方について調べたメタ分析では、保護者が子どもの自律性を支える関わりをすることは、学業成績、自律的な動機づけ、心理的健康、自己効力感、努力、自己調整など、さまざまな望ましい結果と関連していることが報告されています。(自己決定理論)
ここで大切なのは、放任することではありません。
「好きにしなさい」と突き放すことではなく、
子どもの気持ちを聞き、選択肢を与え、挑戦を支えることです。
たとえば、練習後にすぐ
「今日は何でシュート外したの?」
「もっと走らないとダメだよ」
と言われると、子どもは“評価されている”感覚が強くなります。
一方で、
「今日、自分でよかったと思うプレーはあった?」
「次はどんなことをやってみたい?」
「頑張っていたところ、見ていたよ」
と聞かれると、子どもは自分で振り返りやすくなります。
この違いは、とても大きいです😊
スポーツでも、保護者とコーチの関わりは子どものモチベーションに関係します!
スポーツ心理学の研究でも、保護者やコーチの自律性を支える関わりは、若いアスリートのスポーツへの動機づけ、心理的欲求の充足、パフォーマンスやフロー体験などと関連していることが示されています。(自己決定理論)
ハンドボールは、走る・投げる・跳ぶ・判断する・仲間と連携するなど、たくさんの要素が詰まったスポーツです。
だからこそ、最初から全部うまくできる必要はありません。
大切なのは、
「昨日より少しできた」
「次はここを頑張りたい」
「仲間と一緒にやるのが楽しい」
という感覚を積み重ねていくことです。
この積み重ねが、子どもの自信や挑戦する力につながっていきます。
褒め方のコツは「才能」よりも「行動・工夫・努力」を見ること
保護者の方が特に悩みやすいのが、褒め方です。
「すごいね!」
「才能あるね!」
「運動神経いいね!」
もちろん、こうした言葉が悪いわけではありません。子どもにとって嬉しい言葉でもあります。
ただし、教育心理学の研究では、子どもを“能力そのもの”で褒めるよりも、努力・工夫・取り組み方などのプロセスを褒めることが、挑戦への前向きさにつながりやすいことが示されています。幼児期に努力などのプロセスを多く褒められた子どもは、数年後に挑戦に対してより前向きな考え方を持ちやすかったという研究報告があります。(Parent praise to 1- to 3-year-olds predicts children’s motivational frameworks 5 years later)
逆に、「あなたはすごい子だね」といった人物そのものへの褒め方は、失敗したときに「自分はダメなんだ」と感じやすくなる可能性も指摘されています。特に自信が低い子どもでは、人物そのものへの称賛が失敗後の恥の感情につながりやすいという研究もあります。(On feeding those hungry for praise: person praise backfires in children with low self-esteem)
おすすめは、こういう声かけです。
「最後まで走り切ったね」
「さっきよりパスのタイミングがよくなったね」
「失敗しても、もう一回やろうとしていたのがよかったね」
「自分で考えて動こうとしていたね」
「仲間に声をかけていたの、すごくよかったよ」
ポイントは、子どもの中に残る言葉にすることです。
“自分は才能があるからできた”ではなく、
“工夫したから少しできるようになった”
“挑戦したから成長できた”
と思える声かけが大切です。
試合や練習後におすすめの「3つの質問」
ご家庭で実践しやすい形にするなら、練習や試合後はこの3つがおすすめです。
1つ目:今日、楽しかったことは何?🧐
まずは楽しさを聞くことで、子どもが安心して話しやすくなります。
2つ目:自分でよかったと思うプレーは何?🧐
自分の成長に気づくきっかけになります。
3つ目:次にやってみたいことは何?🧐
保護者が目標を決めるのではなく、子ども自身が次の挑戦を考えられます。
この3つは、子どもの自律性・有能感・関係性を支えやすい声かけです。
もちろん、毎回きれいに会話できるわけではありません。疲れている日もありますし、負けて悔しい日もあります。
そんなときは、無理にアドバイスをしなくても大丈夫です。
「悔しかったね」
「頑張っていたの、見ていたよ」
「話したくなったら聞くね」
この一言だけでも、子どもにとっては大きな支えになります。
ただし、声かけだけで全てが決まるわけではありません
ここは大切なポイントです。
研究では、保護者の自律性支援は子どもの望ましい結果と関連していますが、多くの研究は相関研究であり、「この声かけをすれば必ずこうなる」と因果関係を断定できるわけではありません。実際に、メタ分析でも相関研究が中心であること、今後は介入研究が必要であることが指摘されています。(自己決定理論)
つまり、完璧な声かけを目指す必要はありません。
大事なのは、日々の関わりの中で、
「子どもが安心して挑戦できているか」
「失敗してもまたやってみようと思えているか」
「自分で考える余白があるか」
を少しずつ意識することです。
ハンドボールは、子どもの“自分で考える力”を育てやすいスポーツです🤾♂️
ハンドボールは、ただ走るだけ、投げるだけのスポーツではありません。
相手を見て判断する。
仲間の動きに合わせる。
空いているスペースを見つける。
失敗してもすぐに戻って守る。
声をかけ合って、チームで戦う。
このように、ハンドボールには子どもの「考える力」「挑戦する力」「仲間と協力する力」を育てる場面がたくさんあります。
だからこそ、保護者の方には、結果だけでなく、ぜひ成長の途中を見ていただきたいです。
シュートが入ったかどうかだけでなく、
「前より思い切って走れていた」
「仲間に声をかけられた」
「失敗しても戻って守れた」
そんな姿に目を向けることが、子どもの自信につながっていきます。
平塚ハンドボールクラブでは、小学生から中学生まで、経験を問わず参加でき、初めてのお子さんも基礎から丁寧に始められる環境づくりを大切にしています。
まとめ:保護者の声かけは、子どもの“挑戦する心”を支えます
今回のテーマは、教育心理学から見た保護者の声かけでした。
ポイントは、
「結果だけを評価する」のではなく、
「努力・工夫・挑戦・成長」を見つけて伝えることです。
子どもは、安心できる環境の中でこそ、思い切って挑戦できます。
そして、挑戦できる子は、スポーツでも学校生活でも、少しずつ自分の可能性を広げていきます。
平塚ハンドボールクラブでは、ハンドボールを通じて、技術だけでなく、子どもたちの心の成長も大切にしていきたいと考えています😊
小学生・中学生の皆さん、ハンドボール経験がなくても大丈夫です。
「少しやってみたい」
「新しいスポーツに挑戦してみたい」
その気持ちが、最初の一歩です。
ぜひ一度、体験に来てみてください🤾♀️✨
